今回HR Techガイドでインタビューをさせていただいたのは、AIによる対話型の面接サービス「SHaiN」を運営している株式会社タレントアンドアセスメント様です。
科学的かつ客観的根拠に基づいた独自のメソッドを持つAIが面接を行うことで、人のバイアスを排除した、客観的で効率的な選考が可能になります。
対面での面接に問題意識を感じているすべての方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。
世界初のAI面接サービス「SHaiN」の公式サイトはこちら⇒
株式会社タレントアンドアセスメント様へのインタビュー内容を紹介します
それでは早速、「株式会社タレントアンドアセスメント様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、SHaiNの概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」
「SHaiN」は、AIによる対話型の面接サービスで、受検者はスマートフォンのアプリを使い、24時間365日、いつでもどこからでも面接を受けることが可能ですので、時間的・距離的・金銭的な問題がなく、誰もが公平な面接機会を得ることができます。
面接の流れとしては、「AIの質問に対し受検者が回答する」を繰り返しながら、具体的なエピソードを引き出していくのですが、AIが担当するのはヒアリングの部分で、その後は専門のスタッフが、受検者が回答した内容をもとに面接評価レポートを作成します。
企業側はその面接評価レポートのほか、受検時の動画・音声なども加味し、採用可否を判断します。
また、面接評価レポートを参考に、対面面接時に候補者に適した質問を投げかけたり、候補者の特徴に合わせた動機付けをしたりすることで、内定辞退防止につなげることもでき、さらには入社後の初期育成や配属時の参考にするピープルアナリティクス資料としても活用することも可能です。
Q2.「次にSHaiNをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」
上場・非上場、大・中小を問わず、多くの企業は経歴書と人事や面接担当者の経験則を頼りにばらつきのある評価や客観性に欠けた面接を行いがちであり、自社に最適な人材を見極めるために必要な面接手法を取り入れ、戦略的に採用活動ができている企業は非常に少ないのが実情です。
弊社は、採用面接に特化したコンサルティング会社として「どんな質問を投げかければ、その人のどのような資質が見えてくるのか」「その資質が、企業の求める人材像とマッチするのか」など、科学的かつ客観的根拠に基づいた戦略採用メソッドを独自開発し、研修などを通じて提供してきました。
この研修を受けることで、ある一定水準の資質の見極めはできるようになるのですが、どうしても「人のバイアス(個々の印象や感覚で判断してしまうこと)」を完全になくすことはできず、かつ時間が経ってしまうと元の面接手法に戻ってしまい、また研修を繰り返す、という状況になってしまいます。
そこで弊社は「戦略採用メソッドを用いて、すべての属人的な要素を排除し、短期的かつ効率的に見極められるたった一人のAI面接官がいたら」という着想から、SHaiNを開発しました。
Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。競合サービスと比較した際の、SHaiNの強み・優位性を教えてください。」
SHaiNの特徴は、従来あった面接課題や面接で注力すべき部分をAI化し、本人が回答した内容により評価する、まさに「人の面接を再現したサービス」ということにあります。
このコロナ禍の影響もあり、オンライン面接が多くの企業で実施され、その中にはAIを活用した選考ツールや面接ツールも複数登場していますが、それらとの違いには大きく3つのポイントがあります。
- 評価の根拠が提示でき、入社後の再現性が高い
オンライン面接や録画面接でAIが活用されるシーンの多くは、画像認識を経て評価する部分で、いわゆる本人の話している表情や態度などの、第一印象の部分をAIが見ていると言い換えられ、その評価根拠を示すことは難しいものです。
SHaiNは、構造化された面接で得られた受検者の回答内容をもとに、戦略採用メソッドに基づき資質を評価しますので、なぜその評価になったかの根拠が提示でき、かつ入社後の再現性が高いものとなります。
- 企業ごとの教示データが必要ない
AIは学習させる内容に偏りがあると、その結果にも偏りが出てしまいます。
採用活動で得られる受検者データは複数あるわけですが、そのデータそのものにバラつきがあれば正しい評価をつけることは難しく、さらに、自社にはない新しい人材を採用しようとするならば、学習データそのものを作成していく必要があります。
SHaiNは、戦略採用メソッドをAIに学習させることで「この受検者はどのような特徴を持っているのか」の視点により構築しているので、自社にマッチするか否かを企業が判断し、類似人材に偏らず、人材の多様性を見える形で採用することができます。
- エンゲージを図るツールにもなる
受検者の回答内容はすべて文字起こしされますので、本人が「どのようなことに注力をしてきたのか」「課題に対しどのように対応してきたのか」がきちんとエビデンスとして残り、次選考で受検者の話を聞きながら入社動機付けをしたり、また入社後の初期育成や初期配属の参考にすることも可能です。
また採用ツールとしてだけでなく、昇格試験や面談にSHaiNを活用している企業があるのも特徴と言えます。
Q4.「AI面接は日本では最先端だと思います。AIの開発についてどのようにこだわってきましたでしょうか?」
繰り返しになりますが、構造化面接に基づき「対人面接をAIで再現する」というのがSHaiNの根幹となるコンセプトですが、その一方で、開発過程では「AIに面接なんてされたくない」とか「AIに合否を決められるなんて嫌だ」あるいは「面接は人間がやるものだ」というような世論やネガティブな反応が出るだろうということも想定していました。
そのため、AIの開発をどのように進めるかということ以上に、これまで存在しなかったAI面接というサービスを、どのように世の中に打ち出し、周知していくのかということが非常に重要だと考えていました。
経営陣、開発チームとも、この問題にはかなりの時間、議論を重ね、イノベーションと社会実装というジレンマに挟まれながら開発を進めていき、最終的に出た結論が、「面接」へのこだわりです。
私たちはIT企業ではないため、いわゆるAIによる動画解析や音声解析によるAI診断のように、なぜそのような評価がされたのかを明示できない「ブラックボックスは作らない」と決めたのです。
「あくまで『面接』を再現することがSHaiNの意義であり、社会に求められる必要性である」と。
昨今、AIによって便利になったことはたくさんありますが、AIによって物事が知らぬ間に進み、人の行動に影響を及ぼしているという状況は良くないと私たちは考えています。
まだまだ不十分な部分もありますが、SHaiNのユーザーや受検者がAI面接サービスに触れる中で、少しでも不安を感じないようなサービスにすることにこだわってきましたし、これからもこだわり続けていきます。
※近日中に弊社の「AI利用における基本理念」を公表予定です。
Q5.「24時間365日世界中で面接が可能とのことです。面接をいつでも実施できることで、候補者を離さないなどの効果もありますか?」
オンライン面接を実施する企業が増えたことで、遠方の企業や求職者にアプローチをしやすくなり距離的な問題は解消される傾向ですが、「対人面接は双方の日程が合わないと実施ができない」というのは変わりません。
就職活動をしている学生は、学業や部活動、アルバイトなどに忙しくしている方も多く、社会人の場合では、現職を続けながら転職活動をするケースもあり、休暇を使ったり終業後の対応を求めたりします。
その点SHaiNは、AI面接官が休むことなく複数人でも同時に面接を実施することができるため、例えば留学中の学生でもシフト制の社会人でも、受検者が置かれている個々の状況や環境に合わせて面接ができる、というのは大きなメリットです。
Q6.「AIが面接官であることに、まだ不安な企業も少なくないと思います。AIの面接結果の妥当性についてはどのようにチェックしていますでしょうか?」
SHaiNは全ての受検者に公平公正な面接を実施し、受検者が回答した内容をもとにその方の資質の特徴を定量化するものであり、それら結果を元に企業様が採用可否などの判断をします。
実際、SHaiNの面接評価レポートからも、その受検者は各資質 (評価項目)で「なぜそのような評価がされたのか」という根拠を、過去の行動エピソードとともに説明することができ、SHaiNを導入した企業様からは、「自分たちの見立てと同じだった」「通常の面接では聞けない内容も知ることができよかった」といった声をいただいております。
また、エントリーシートのように第三者の添削が入ることもなく、かつ受検者の話した内容は聞き漏らしなく文字起こしされ、受検時の動画や音声も提供しますので、人が行う面接や録画面接以上に受検者の情報を多く得ることができ、かつその評価の根拠も本人の回答に表れるため、ブラックボックス化していない、というのも特徴です。
Q7.「すでに300社以上の企業が取り入れています。365日面接ができることや、AIによる面接官について、どのようなフィードバックを受けていますか?」
従来の日程を指定しての面接は、当日のドタキャンなどもあり、採用活動そのものが非効率の要素を含んでいましたが、SHaiNはある意味、受検者側にも受検の意思を求めるため、「受検をしない=受検意思なし」と判断することもできます。
また、受検案内から早期に対応する方、締め切りギリギリで対応する方などもわかるので、このような部分も企業側はひとつの情報として見ているケースもあるようです。
AIによる面接については、様々なリクエスト(受検時間を短くしたい、オリジナルな質問を設定したいなど)を頂戴しており、これら声を元にサービスのブラッシュアップを行っています。
例)受検時間を短くしたい=資質質問を3項目までに絞ったクイックプランを提供
オリジナル質問をしたい=10項目まで設定できるフリー質問機能を追加
一方で「AIで選考を完結させたい」というリクエストをいただくこともあるのですが、入社熱意や価値観を図るといった「想いの部分のすり合わせ」や「入社の動機付け」についてはAIに学習させるのは難しく、その点こそ人間がやるべきことであると考えています。
すべての選考をAIで判断するのではなく、AIでできることと人間がすべきことを棲み分け、きちんとした選考フローを構築することをおすすめしています。
Q8.「AI面接の後、人の手も加わった面接レポートを受け取ることはできますか?」
SHaiNはもともと、AIが受検者への質問(ヒアリング)・回答の文字起こしを行い、自社の専門スタッフが受検者の回答内容を戦略採用メソッドに基づき評価(評点化)し、面接評価レポートを提供する、という「AIと人とのハイブリッド化されたサービス」です。
文字起こしの部分に関しても、極力本人の回答には手を加えず、AIの音声認識に誤変換があった場合には文字校正を行い、企業様が回答内容を見た際、何について話をしているかがわからない場合のみ一部補足文言を加えることもあります。
すべてをAIで完結できる評価AI版を一部プランにて開発中ですが、現在は実証実験段階となります。
Q9.「株式会社タレントアンドアセスメントとしての、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
私たちは、すべての求職者が平等な面接機会を得ることができ、かつ企業もSHaiNの客観的な評価により採用活動を行うことを理想としており、就職活動・転職活動の統一試験、あるいは履歴書の付随資料としてスタンダードになればと思います。
また、近年話題となっているSDGsの取り組み施策としても有効と考えます。
SHaiNには、社会的常識や文化の概念がないため、候補者の見た目やバックグラウンドに影響されず、バイアスを排除した評価が可能で、年齢、性別、障がい、人種、民族、生まれ、宗教、経済状態などに影響されない面接評価を可能にし、すべての人が、能力を高め、社会的、経済的、政治的に取り残されない面接プラットフォームの実現を目標としています。
Q10.「最後にインタビュー記事の読者について、一言お願いします! 」
世界的なDX化の流れを受け、旧来の人事や働き方にパラダイムシフトが起きている中で、HR Techは、これまで以上に考えられないようなスピードでサービスが誕生し、昨日までの当たり前が通用しない世界が広がっています。
SHaiNは、そのような時代の流れを受けて誕生したサービスです。
ビッグデータやAIを活用して、採用活動におけるマッチングの効率化・高付加価値化を実現し、日本型雇用システムの諸課題に対する解決策の一助を担って参ります。
株式会社タレントアンドアセスメントの会社情報
会社名 | 株式会社タレントアンドアセスメント |
所在地 | 東京都港区虎ノ門 4-1-1 神谷町トラストタワー23F |
代表取締役社長 | 山﨑俊明 |
公式サイトURL | https://www.taleasse.co.jp/ |
最後に
今回は、「SHaiN」を提供している株式会社タレントアンドアセスメント様のインタビュー記事を紹介しました。
世界初のAIによる面接という非常に画期的なサービスですが、対人面接のデメリットを排除しながらも、人がやるべき仕事とはしっかり線引きをしている姿勢がとても印象的でした。
とは言え、AI完結のサービスも実証実験中とのことで、今後の展開も非常に楽しみですね。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからSHaiNの公式サイトをチェックしてみてください。
株式会社タレントアンドアセスメント様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!
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