今回HR Techガイドでインタビューをさせていただいたのは、人事面談や1on1を支援する「INSIDES(インサイズ)」を運営している株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様です。
事前のアンケートでメンバーの心理状態やエンゲージメントを分析し、その結果をもとに効率よくコミュニケーションを進めることができます。
多様化する価値観の中でマネジメントにお悩みの方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。
メンバーとの対話を促進する「INSIDES」の公式サイトはこちら⇒
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様へのインタビュー内容を紹介します
それでは早速、「株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、INSIDESの概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」
INSIDESは、メンバーとの1on1や人事面談の効果的な実施を支援するためのサーベイシステムです。
対象メンバーに向けたサーベイ結果を元に、具体的なアドバイスを含めたレポートが現場マネジャーや人事に提示される点が強みです。
利用の流れとしては、まず対象となるメンバーに、3分程度で答えられるアンケートに回答してもらいます。
このアンケートにより、エンゲージメントや心理的安全性といった仕事に臨む心理状態や、今の悩みごと、そして、そもそもどういったことを大事にする価値観の持ち主なのか、といった情報を測っていきます。
アンケート結果は自動で解析され、回答終了の翌日にはそのメンバーの状態とともに、どのように対応すればよいのかのヒントが記載されたレポートが作成されるため、マネジャーや人事担当者は、この情報を参考にしながら1on1や人事面談を行っていただける仕組みです。
Q2.「次にINSIDESをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」
従業員は多様化しつつあり、一人ひとりに合わせたコミュニケーションを組織は行う必要が高まってきました。
また、VUCAの時代、と言われるような不確かな中では、上司が正解を提示して部下がそれに従う「指示・命令型」の組織から、メンバー一人ひとりが主体的に工夫を行うことを上司がサポートする「対話・支援型」の組織への変革が求められています。
このような中、多様な個を対話によって生かすことの重要性が高まっていますが、その実現には、前提として、個人の状況や価値観を上司や組織が正確に見立てる必要があります。
しかし、見立ての技術は簡単なものではありません。
特に、現在はリモートワークなども進んだことで、「メンバーが困っているのか」「順調に取り組めているのか」ということさえも見えづらくなってしまっています。
Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。同一企業の中でも複数のサーベイが定期的に実施されています。INSIDESにしか生み出せない価値を教えてください。」
主に2点あります。
- 記名式のサーベイであるため「誰が悩んでいるか、どんなことに悩んでいるか」が具体的に分かりやすい
サーベイと言えば、匿名で実施して会社全体や部署ごとの「平均値」がレポートとして提示されるというものが一般的ですが、INSIDESは多様な価値観や個人ごとの状況を尊重するためにも、一人ひとりの結果がバイネームで分かるレポートが提示されることが一般的です。
匿名性がなくなるので、「本音で回答してくれるのか?」と心配されるケースも多いですが、実際にはどの企業でも、かなり本音で回答してもらえていると感じています。
ある企業で「うちの会社は、こういう記名式のサーベイには良く見られるように答える社員ばかりだ」と心配されていましたが、結果を見ると良くも悪くもネガティブな結果もしっかりと出ていて、驚いていらっしゃいました。
これは、適性検査SPIなどの開発で培ったサーベイの技術的なノウハウもありますが、何よりも「INSIDESはすべてのメンバーがより働きがいを持てる職場づくりのために、組織やマネジャーが皆さんの声に気づくことを目的に導入した」というコンセプトをしっかり伝えながら社員に協力を仰ぐ、といったような運用面でのノウハウによるところが大きいです。
また、特に若い世代の方は、SNSなどで自分の考えや情報を世の中に発信する経験をされている方も多く、「居酒屋でお酒を飲むよりも、こういったサーベイのほうが本音を伝えやすい」と感じる方もいるようです。
また、別のサーベイから切り替えられたケースでは、「匿名のサーベイにいくら答えても会社は変わらないから、はっきりと自分の意見が述べられる機会があって記名性のほうがいい」という社員の声があったとも伺っています。
- マネジメントのノウハウを提供できる
当社は、リクルートグループの中で研修事業を担っている会社です。
以前より、「個の自発性」や「マネジャーの対話スキル」といったことを重視した組織運営を当社自身も行ってきた中で、培ってきたノウハウをINSIDESにかなり多くの部分で盛り込んでおります。
「こういう性格の方が、こういう悩みをしているのであれば、アプローチの選択肢としてはこういうものがある」といった提示をしますが、利用いただいているマネジャーの皆様からは、「たった3分の結果から、まるで実際に会ったことがあるかのように状況を言い当てられて驚いた」「どうしようもないと思っていたが、アドバイスから前向きに取り組むためのヒントが見つかった」などといったお声をいただけることも多いです。
どんなアンケートを作り、どのように分析をし、分析結果にどのような解釈やアドバイスを加えるか、といった点には、この分野で当社が50年以上培ってきた心理測定技術やマネジメント理論のノウハウが活かされています。
Q4.「マネジャーが部下の本音や実態に気づくためには何が重要なのでしょうか?それに気づくためにINSIDESにはどのような機能がありますか?」
まず、きっかけになるのは「違和感」に気づくことです。
メンバーの心理状態の変化は、表面的には小さな差でしか現れません。
「なんとなく様子がおかしいな?」と気づくことが重要です。
INSIDESは、まさにこのきっかけを提供することが重要な役割だと考えています。
メンバーの心理状態や性格に定量的に触れたときに、「確かにそうだな」と思う結果に混じって、「あれ、意外とそうだったの?」と上司が違和感を持つ結果もあります。
こうした疑問をきっかけにして、メンバーに対する興味を育んでいくことが重要です。
INSIDESはこのようなきっかけを作ることはできますが、本当に大切なのは、そのあとにマネジャーとメンバーが有意義な対話を行うことです。
マネジャー向けのレポートには多くのヒントを提示していますので、これを参考に、1on1などの機会で様々な角度からメンバーとのコミュニケーションを行っていただくことで、初めて本音や実態を知ることができると考えています。
マネジャーにアクションを促すために、もうひとつ「チームマップ」という機能も用意しました。
実は、メンバー向けとは別にマネジャーにもアンケートを実施しているのですが、その中で「このメンバーの仕事ぶりは、現在の期待水準に到達しているか」を問う質問があります。
上司からみた評価だと解釈してよいでしょう。
この上司の評価と、メンバーのコンディションを比較して一覧で見ることができる機能が、チームマップです。
注意が必要なのが、「上司の評価は高いのに、メンバーのコンディションは悪い」というマップの中の左上の状況です。
「評価の高いメンバーが好調である」「評価の低いメンバーが不調である」という場合は上司もその事実に気づいていることが多いのですが、「評価は高いメンバーが不調である」と捻じれてしまっている状態には、上司は驚きを感じることが多いです。
そして、活躍している社員に辞めてしまわれては、マネジャーも困るので、「これはちょっと対策しないとな」と素直に思ってもらいやすい仕掛けになっています。
このチームマップの機能は非常に有効性も高く、特許を取得しているINSIDEDS独自の機能となっています。
Q5.「具体的に、1on1や人事面談をどのようにサポートしてもらえますか?メンバー向けの支援もあるのでしょうか?」
INSIDESでは、マネジャー向けのレポートとは別に、メンバーとマネジャーが2人で見ることができる形式のレポートも用意しました。
このレポートは1on1などの面談での利用を想定して作られたもので、メンバーのアンケート結果に基づき、話すべきテーマがいくつか提示されます。
メンバーとマネジャーはその中から好きなものを取り上げて、対話を進めてください。
1on1における課題のひとつに、現場マネジャーやメンバーから「業務以外のことを話せと急に言われても、何を話題に話せばいいか分からない」という声ががあります。
INSIDESのレポートを活用することで、話題作りに困らず、かつ有意義な対話を推進していくことができます。
もうひとつ、1on1の結果を上司がメモすることができる機能です。
この結果は、自分だけしか見られない非公開のメモと、人事にも共有される申し送り用のメモに分かれています。
申し送り用のメモを確認すれば、実際に面談が実施されているのか、どんな話題が上がっているのか、ということを人事も確認することが可能です。
INSIDES利用顧客の中には、コンディションが悪い方との1on1は必須で実施、良い方との1on1は任意、といったルールを設けている企業も多いですが、このメモ機能はコンディションごとの入力率を一目で見ることができる仕様になっており、ルールの徹底具合を測ることができます。
Q6.「サーベイは結果の活用や施策への落とし込みが重要だと思います。マネジャーがサーベイ結果を上手く活用できるためのサポートはありますか?」
大きく3つのポイントがあると思っております。
- 相談機能による支援
マネジャーがレポートの解釈やメンバーへのアプローチ方法について疑問を持った時に、オンラインでいつでも相談できるようになっています。
マネジャーの利用画面では、相談機能へ簡単にアクセスができるようになっていますので、そこからメンバーについての悩みをご記載ください。
「リーダー業務を任せてみたら、本人のコンディションが悪くなってしまった」「コンディションが良いという結果だったが、要望値をあげて任せても良いのか」といった、非常に具体的で多様なお悩みを頂いております。
これに対して、アンケートの結果と相談内容をもとに専門家チームがアドバイスを送ります。
INSIDESの読み取り方やマネジメントノウハウに精通した少数のメンバーが、この回答に関わっているため、最大で2営業日ほど頂いてしまうのですが、その分、しっかりとした内容の返答を行うようにしております。
- ガイダンスでの支援
有料のプログラムになりますが、3時間ほどのお時間を頂き、マネジャーの皆様にINSIDESを使ったマネジメントについてご案内させていただいております。
コーチングなどの理論にも触れつつも、一般的なノウハウ提示にとどまらず、INSIDESの結果を活用しながら「メンバーのAさんは、こういうことで悩んでいるのかもしれませんね」と参加者の方の具体的な状況に触れながら、マネジメントのノウハウを学んでいくことができる仕立てです。
INSIDESを初めて利用する方向けのプログラムのほか、マネジメントレベルを徐々に上げていただくために、定期開催ができるプログラムも用意されています。
- マネジャーのコミュニティ
ユーザイベントという形で、INSIDESを利用されているマネジャーの皆様が集まっていただける無料のイベントがあります。
企業横断で行いますので、他社のマネジャーとの意見交換ができる点も好評いただいています。
メンバーマネジメントは絶対的な正解がないにもかかわらず、誰にも相談できず孤独に悩んでいるマネジャーは多いです。
その結果として、自分のマネジメント方法に固執し過ぎて失敗されている方も多いように思えます。
このイベントでは、「価値観の違う部下」や「面談のやり方」などといった様々なテーマを設けて、他社のマネジャーと交流しながら、マネジメントの「引き出し」を増やしていっていただくことが可能です。
何度も参加いただくリピーターも増えてきており、マネジャー同士が気軽に相談しあえるコミュニティが出来上がりつつあります。
Q7.「人事部員が従業員マネジメントに精通できるような仕組みやサービスはありますか?」
現場での対話を促進するためには、人事の皆様のご協力も不可欠です。
上記のようなマネジャー向けの支援施策を一緒に盛り上げていっていただくとともに、INSIDESを利用している理由を現場に伝えていただくことや、コンディションが特に悪いメンバーに対しては、すべてをマネジャー任せにせず、直接人事から面談をしていただくこともあります。
こうした人事の皆様の取り組みをサポートするために、INSIDESには専門チームがあり、結果が出たときの読み取りのご支援や、現場を巻き込むためのノウハウを提供いたしますのでご安心ください。
「1on1を推進したい」「離職を減らしたい」「エンゲージメントスコアを高めたい」といったようなお客様の利用目的に合わせて、こちらから積極的にご提案させていただいています。
Q8.「1回のサーベイで終わりではなく、継続して従業員や部下の状態をチェックできる機能はありますか?」
実施頻度としては、3カ月に1回程度を推奨しています。
サブスクリプションのサービスであるため、何度利用いただいても問題ありませんが、コンディションの変化が起こりうる期間と現場への負荷を鑑みたときに、3カ月に1回程度の頻度が最もコストパフォーマンスが良いと考えています。
Q9. INSIDESの、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。
INSIDESが目指していることは、上司と部下のすれ違いをなくし、コミュニケーションを円滑にしていくことです。
多くの方が、職場や上司とのコミュニケーションや人間関係に悩んだことがあるのではないでしょうか。
コミュニケーションが不健全な職場では、退職が多く発生したり、生産性が下がってしまったりと問題発生しがちです。
不正が起こってしまった組織の話などを聞いていると、「職場の風通しが非常に悪く、意見が言いづらい職場であった」というようなケースが多く、職場でのコミュニケーションの問題は非常に影響範囲が大きいと考えています。
逆に、コミュニケーションがとりやすい職場には、活発なアイディアや意見が生まれ、一人ひとりも高いエンゲージメントで働けるのではないでしょうか。
その実現のためには、やはりマネジャーの役割は大きいのです。
私たちのミッションは、マネジャーの「引き出し」を増やすことで、多様なメンバーが、その人らしく成長できる組織を作っていくことです。
多様なメンバーと接するには、ひとつのやり方ではなく、様々な視点から様々なアプローチを行っていく必要があります。
職場には、ビジョンを示すことでエネルギーを得られるメンバーもいれば、現実の困りごとに捉われてもがいているメンバーもいます。
ビジョンを語ることも、話を傾聴することも、具体的にサポートをすることも、コーチングをすることも、それぞれが有効な打ち手ですが、どれかひとつだけを徹底すれば良い、というわけではありません。
メンバーの状態や個性に合わせて、様々な「引き出し」を使い分けていくことが重要です。
しかし、その難度は高く、マネジャーが孤軍奮闘しているだけはなかなか到達できないことも多いでしょう。
だからこそ、INSIDESによって、「メンバーそれぞれの視点」とともに「具体的なヒント」を提示し、1on1などの場を通じて、対話を実践することが必要なのだと考えております。
Q10. 最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!
ぜひ、1on1や面談、エンゲージメントといったキーワードでお困り事があれば、お声がけください。
人事の皆様のお役に立つような無料のセミナーも多数、開催させていただいております。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズの会社情報
会社名 | 株式会社リクルートマネジメントソリューションズ |
所在地 | 東京都品川区大崎1-11-1 ゲートシティ大崎 ウエストタワー7F |
代表取締役社長 | 山﨑 淳 |
公式サイトURL | https://www.recruit-ms.co.jp/ |
最後に
今回は、「INSIDES」を提供している株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様のインタビュー記事を紹介しました。
50年以上に渡るノウハウを詰め込んだシステムでありながら、専門チームやイベントの開催など、人の力を生かした支援も手厚いのが心強いですね。
INSIDESは、大企業を含む多数の企業に導入されて、すでにたくさんの実績を出しているサービスです。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからINSIDESの公式サイトをチェックしてみてください。
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!
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