今回HR Techガイドでインタビューをさせていただいたのは、テレワークでの障害者雇用を実現する「エンカク」を運営している株式会社D&I様です。
テレワークが一般的になる10年以上前からテレワーク就労のノウハウを蓄積しており、採用からトレーニング、戦力化まで、豊富な知識でサポートしてくれます。
障害者雇用を行うすべての企業の方に、ぜひチェックしていただきたいインタビューです。
障害者雇用のテレワーク型ソリューション「エンカク」の公式サイトはこちら⇒
株式会社D&I様へのインタビュー内容を紹介します
それでは早速、「株式会社D&I様」へのインタビュー内容を紹介していきましょう。
Q1.「今回はインタビューのお時間をいただきありがとうございます。まず、エンカクの概要について、簡単に教えていただけますでしょうか?」
エンカクは、様々なご事情によりオフィスまで通えない・出勤が難しい障害をお持ちの方に、戦力として企業で活躍していただくための、国内初のテレワーク型障害者雇用のソリューションサービスです。
また、「障害者雇用に取り組みたいけれどもどうやったら良いか分からない、時間が割けない」という企業の人事担当者様・経営者様のお声を解決すべく、エンカクは「採用、入社後トレーニング、定着・戦力化」までD&Iコンサルタント達が伴走し、一気通貫でおこなっています。
2020年には、その新規性と貢献性から日本の人事部「HRアワード®」プロフェッショナル部門入賞を果たしました。
Q2.「次にエンカクをスタートしたきっかけ・経緯を教えていただけますか?」
株式会社D&Iは障害者雇用・教育を専門として、創業間もなくテレワークという働き方が一般的になる10年以上前から、障害をお持ちの方の就労の可能性を広げるために「テレワーク」の意義を発信して参りました。
また、障害をお持ちの方/雇い主双方の声を聞きながら、障害者雇用のプロフェッショナルのノウハウとソリューションから生まれたものがエンカクのサービスです。
そこで重要な役割を果たすのが、「エンカククラウド」という雇用者と障害をお持ちの労働者をつなぐSaaS(オンラインツール)です。
主にエンカク導入企業様がご利用いただけるツールですが、こちらは2019年8月にリリースすることができました。
企業が障害をお持ちの社員を、テレワーク下であっても適切に雇用管理し、戦力化を目指せる仕組み(プラットフォーム)は国内初でした。
物理的に離れていても、雇用する企業と働く障害当事者の双方にとって安心のできる環境を整備し、ユーザーの声を伺いながら現在も改善を重ねています。
奇しくも、2020年には新型コロナウイルス感染症が国内でも流行し、企業様の「テレワークへの移行」も本格的に考えられるようになりました。
しかし、弊社にはこれまでの「障害者雇用×テレワーク就労」のノウハウとツールがありましたので、多くの企業様にも興味をもっていただくきっかけとなりました。
コロナ禍であっても障害者雇用を守る一助となれたことは嬉しく思っております。
Q3.「ここからは具体的な質問に入っていきたいと思います。競合サービスと比較した際の、エンカクの強み・優位性を教えてください。」
エンカクの魅力は3つあります。
- 障害者雇用の母集団形成から定着までの一気通貫サービスであること
テレワークで遂行可能な業務の切り出しからサポートに入り、在宅勤務希望の求職者をデータベースよりマッチング、ご紹介をおこないます。
雇用開始後は専任トレーナーとコンサルタントが入り、エンカクを活用して戦力化に向けた伴走型の支援をおこないます。
- 障害者×テレワークに必要な情報を全て網羅した独自のシステム「エンカククラウド」の存在
テレワークで管理が煩雑となりがちな勤怠管理や業務管理ができるだけではなく、業務のプロセスを把握することが可能な画面キャプチャ機能を搭載しています。
また、障害者雇用において大切な体調管理へのフォローができるように、体調アンケートも組み込んだツールとなっており、管理者側では体調変化だけではなく、生活リズムの変動や服薬状況なども把握することができます。
- 導入支援・ツールだけではなく人によるサポートも手厚いこと
エンカクの導入企業様には、専任のコンサルタント(兼カスタマーサクセス)がつきます。
障害者雇用の壁のとなるのが、「どの業務を担当してもらうか?」といった業務の切り出しです。
さらに「テレワーク」で任せるとなった際、セキュリティの問題なども発生するでしょう。
そのような課題に対し、テレワークで遂行可能な業務の切り出しからフローの構築をコンサルタントが共に考えます。
また、エンカクの導入支援や活用方法のアドバイス、テレワーカー様のパフォーマンスを引き上げるためのフォロー体制を構築し、それを元に、D&Iのキャリアアドバイザーが面談をおこなった求職者とマッチングします。
そのため、「企業の求める人物像」と障害の自己理解も含めた「職業準備性」を備えた方を採用できるのです。
ご内定後は、働く方・上長または人事の方の間に専任の「エンカクトレーナー」が入り、サポートをさせていただきます。
テレワーカー様の勤怠や体調データ、業務進捗などをチェック。
テレワーカーご本人との面談を実施し、時には雑談なども交えながら、仕事の進め方のアドバイスや、公私に渡る悩みなどをざっくばらんにお話いただきます。
このように、多角的にその方の状態を把握することで、体調不安やパフォーマンス低下の状態を察知し、望まない短期離職や体調悪化を防ぐことが可能です。
また、上長の方や人事担当者にもテレワーカー様の状態を報告するだけでなく、じっくりとお話する時間を設けております。
「業務量を増やしてもいいか?」「こんな問題行動に困っていて…」といったご相談にもプロの目線からお答えします。
このため、定着率も90%以上と非常に高いです。
かつ、農園型の障害者雇用創出サービスなどと比べると、導入・運営コストは安価で、かつ主幹業務に貢献できるように人材の戦力化まで行うため、導入企業様の本質的な事業貢献を果たすことができます。
Q4.「エンカククラウドはパソコン1台でテレワークに必要なことを全て実現するとしています。完全リモートワークとして、勤怠管理、作業管理、チャット機能など、様々な機能が備わっていますか?」
はい、おっしゃっていただいた機能はすべて備わっております。
勤怠・体調・生産性を可視化ができ、かつスキルアップ(eラーニング)もエンカククラウド内ですべて実現可能です。管理者のマネジメント工数を下げ、戦力化に導くツールとなっています。
挙げていただいた機能に加えて
- 心身の健康状態や服薬状態もチェックできる「健康管理」機能
- 初めてパソコンを利用するような方でも、社会人としてのスキルを身に付けられるよう、表計算やビジネスマナーなどが学べる「eラーニング」コンテンツ
- 仕事の進捗管理をチェックできる「画面キャプチャ」機能
などが特徴的です。
Q5.「リモートワークですので本当に仕事をしているのか、画面を遠隔で確認することはできますか?」
テレワーカーさんの様子を確認することも、もちろんできます。
原則、「画面キャプチャ」機能は出勤の打刻以降、退勤の打刻まで10分単位で作業画面をキャプチャとして自動的に記録し、企業管理者側でその内容を確認することが可能です。
そのため「どこでつまずいているか?」なども分かり、エンカクトレーナーとも共有できるため、得意/不得意の理解や業務の配分にお役立ていただけます。
Q6.「すでに約150社以上の導入実績、累計約500名の採用実績があります。特に好評の機能はありますか?一方でもしトラブルや改善点が過去にあった場合も教えてください。」
ご好評の機能は、「体調管理機能」と「画面キャプチャ機能」です。
「体調管理機能」は、体調が悪い際に具体的な症状を自由記載するフォームが立ち上がり、そこで状態把握ができます。
中長期のデータ蓄積により、体調を崩しやすい周期や傾向などの分析もできるのです。
場合によっては、事前に業務量の調整などに活用されるケースもあり、「無理をしない/させない」働き方の一助になります。
「画面キャプチャ機能」は、勤怠データだけではなく作業画面のログがあることで就業上のエビデンスにもなります。
画面遷移を見ることもできるため、テレワーカー様各々の業務への工夫や、課題なども見ることができ、プロセスを評価したい企業様にもおすすめです。
また、テレワーカー様にも程よい緊張感を持っていただき、就業に取り組んでいただくことができます。
さらに、万が一の時に安否確認の一材料になることもあります。
たとえば数時間画面遷移がない場合、室内で倒れている可能性も否定できません。
※D&Iでは、就労いただく前には医師から「就業許可」が出ていることを本人確認し、客観的にも心身のご健康をチェックした上で人材をご紹介しております。
また「エンカク」テレワーク就労の場合、いざという時、ワーカー様のご家族などが同居または近隣にいらっしゃる、または企業担当者が駆け付けられる範囲の方に限っております。
改善点としては、望まぬ離職を少しでもなくし「定着率100%」を目指して、コンサルタントとエンカクトレーナーが一層連携を強めていきたいと考えております。
特に地方にお住まいの方は、スキルがあるのに就労先がなくお困りの障害をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
より多くの企業様に「テレワーク採用」の魅力を感じ、参画いただけるようPRなども励んで参りたいと考えております。
Q7.「毎月30~40名以上の新規のテレワーク希望者が登録しているとあります。どのようなスキルや経験を持った方が多いでしょうか?」
ほんの一例ですが、
- 視覚・聴覚障害、肢体不自由などのため、通勤や職場環境が整っていないと危険を伴う方
- 透析など定期通院があり、勤務地・時間に制限がある方
- 精神・発達障害のため、通勤によって体力・気力を著しく消耗してしまう方
- 発達障害のため「テキストコミュニケーションは問題なくできるが対面のコミュニケーションだけを苦手とする」方
- 地方在住者で近隣に就労先がない方
- 育児、介護などご家族の事情がある方
などです。
高度なスキルをお持ちで、「テレワークさえ叶えばハイパフォーマンスを発揮するだろう」とお見受けされる方もいらっしゃいます。
また志向性としては、「パソコンを使用し、事務職・専門職として活躍したい」という方が多数いらっしゃいます。
これまで接客や介護など体力仕事をされていた方が、キャリアチェンジを希望されるといったご相談も多いです。
「エンカク」はそのような「初めてのデスクワークにチャレンジしたい」と意欲的な方の戦力化支援を充実させています。
Q8.「サテライトオフィス型障害者雇用と地域活性化を促進するために「エンカクサテライト岩国」を開設されたと思います。企業側にとって「エンカクサテライト岩国」を活用するメリットを教えてください。」
地方では、優秀な人材でも「近くに働く場所がない」とお困りのケースも少なくありません。
D&Iは「エンカク」を活用して、「連携協定」を日本全国の自治体と締結しております。(山口県岩国市・神奈川県平塚市など)
自治体にとっても障害をお持ちの方にとっても「地域で暮らす」が実現し、地場の企業様の経済成長、地方創生にもつながっています。
障害者雇用×テレワーク×地方創生の新たな形が「エンカクサテライト」です。
「エンカクサテライト岩国」活用のメリットは
- あらゆるコストを抑えることができる
たとえば人件費でいえば、これまで外注していた業務の内製化が可能となります。
契約書類の電子化業務、簡単なデータ入力など…その地域の最低賃金程度から母集団形成ができます。
ほかにも、オフィスの土地代や設備管理費などの削減も期待できるでしょう。
- 障害に配慮した既存環境と安心安全のサポート体制
バリアフリーな環境をご用意しているため、企業様側で施設改修が要りません。
また、企業様によっては「社内のリソースだけではフォローができない・時間がかけられない」といったケースなどもあるかと思いますので、手が届きづらいところへのフォローアップを行うことができます。
また、現地常駐スタッフを配置していることから、目の届く範囲で就業フォローができ、同時にエンカクのシステムでのバックアップと、トレーナー&コンサルタントで後方支援もエンカク同様に行うため手厚いフォローを受けていただけます。
- 業務の幅や採用ターゲットの拡張可能性がある
完全在宅(フルリモート)の場合、セキュリティの観点から任せるお仕事の広がりに懸念がでるケースがあります。
ただサテライト「オフィス」という環境であれば、機密性の高い業務も遂行できます。
重要書類の電子化業務などがお任せできるのであれば、障害者雇用だけでなくDX推進といった課題の解決にもなりうるでしょう。
ターゲットの拡張例としては、バリアフリー環境であることで車いすユーザーも雇用可能であることが挙げられます。
また、1人でコツコツと業務を行うだけでなく、2,3人で一緒に仕事をすることもあるため、業務内容と業務フローの設計次第では、業務遂行が可能な障害も制限なく受け入れができます。
エンカクサテライトの開所にあたっては、地方メディアにも多数取り上げていただきました。
共に地方創生と障害者雇用を盛り上げてくださる岩国オフィスの第1号企業様、お待ちしております!
Q9.「株式会社D&Iとしての、将来的なビジョン・ゴールがあれば教えてください。」
D&Iは「誰もが挑戦できる社会を作る」というミッションを掲げ、創業の2009年より障害者雇用・教育を専門におこなっています。
2022年1月には新たにビジョンを制定し、「潜在労働者層の戦力化プラットフォームを構築し、日本の社会課題を解決する」としました。
障害をお持ちの方にとって環境や働き方を整えていくことで、障害当事者その一人だけでなく、他の社員が働きやすくなり、多様な人材の活用に対する会社全体の意識も向上します。
結果として、労働者不足が叫ばれる中でも持続可能な事業成長へも繋がっていく姿を目のあたりにしてきました。
「障害者」という括りを超えて、より「私たちが社会に還元できることがあるのではないか」と考え、今回のビジョン制定に至ります。
福祉や教育現場の縦割り体制、そして「働きたくても働けない」難病者・女性・シニア人材や外国人労働者…日本にはまだまだ課題が山積みです。
これからは私たちがもつ知見を活かし、広げていくことで一層の社会貢献を果たして参ります。
Q10. 最後にインタビュー記事の読者に向けて、一言お願いします!
2021年には厚生労働省より委託を受け、「障害者雇用テレワーク促進フォーラム」を運営させていだきました。
私たちはこれからも、一人でも多くの方の「人生に選択肢を」増やすべく、邁進していきます。
また、企業様へは「義務から戦力へ」転換するノウハウを提供し、「人と人」「人と社会」とのご縁をつないでいくお手伝いをしています。
法定雇用率達成のためだけではなく、一社一社の課題や経営にアプローチする「本質的な障害者雇用」を、真心こめて共に実現して参りたいと思います。
「うちの会社では障害者雇用は無理!」と思われていた方も、このインタビューを通して、興味をもっていただけたら幸いです。
株式会社D&Iの会社情報
会社名 | 株式会社D&I |
所在地 | 東京都千代田区神田錦町3-3 竹橋3-3ビル5F |
代表取締役社長 | 小林 鉄郎 |
公式サイトURL | https://d-and-i.jp/ |
最後に
今回は、「エンカク」を提供している株式会社D&I様のインタビュー記事を紹介しました。
まさに「時代が追いついた」と言えるサービスで、豊富なノウハウを生かしてさまざまな課題を解決している様子がとても頼もしく感じました。
サテライトオフィスの開設や新ビジョンの制定など、新しい取り組みからも目が離せませんね。
今回の記事で興味を持たれた方は、ぜひ下記のリンクからエンカクの公式サイトをチェックしてみてください。
株式会社D&I様、今回はお忙しい中インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!
採用に関してのお困りごとをお持ちの方は、
「数ある採用支援の会社の中から、自社の課題を解決してくれる最適な会社を見つけるにはどうしたら良いんだろう?」
と悩まれているのではないでしょうか?
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- 助言やアドバイスなどの表面的なサポートだけでなく、ハンズオンで内部に入っての採用支援を行なっている
- 標準化・マニュアル化されたサポートではなく、企業ごとにオーダーメイドの提案を行なっている
上場HR企業やリクルート出身者、CHRO(最高人事責任者)経験を持ったメンバーなどで構成されており、心強いパートナーとして伴走してくれます。
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