就職活動を控えた大学生にとって、「どんな業界・職種・職業が人気なのか」は気になるポイントでしょう。
本記事では、大学生のなりたい職業ランキングTOP10と、それぞれの業界の特徴や初任給などを紹介します。
大学生のなりたい職業ランキングTOP10
このランキングは、マイナビが行った2025年卒の大学生の業界イメージ調査をもとに作成しています。
1位 ソフトウェア・情報処理・ネット関連
IT業界は成長市場であり、プログラマーやエンジニアの需要は年々高まっています。
特に、AI、データサイエンス、クラウド技術などの分野で活躍できる人材は、引く手あまたです。
また、IT業界は比較的働き方の自由度が高く、リモートワークの導入が進んでいる点も魅力です。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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システムエンジニア (SE) | システムの設計から開発を担当。 プロジェクト管理やクライアントとの打ち合わせ、設計書の作成、プログラマーへの指示などを行う。 |
プログラマー | プログラミング言語を使用し、システムやソフトウェアを開発。 細部までこだわる技術力が求められる。 |
運用保守エンジニア | サーバーやネットワークが安定稼働できるように、システムの運用・保守を担当。 トラブル発生時の対応能力が求められる。 |
<IT業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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プログラミングスキル | JavaやPythonなど、開発するシステムやアプリに適した言語の知識が必要。 加えて、ソフトウェア・ハードウェア・セキュリティの基礎知識も求められる。 |
学習意欲 | IT業界はAIやクラウド技術などの進化が早いため、最新技術を継続的に学ぶ姿勢が大切。 |
コミュニケーションスキル | プロジェクトはチームで進めることが多いため、円滑に業務を進めるための協調性が求められる。 |
<役立つ資格>
- ITパスポート
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験など
IT業界は、技術力だけでなく、学習意欲やコミュニケーション能力も求められる分野です。
最新の動向をキャッチし、スキルアップを続けることで、国内以外でも活躍の場を広げられる業界でもあります。
2位 銀行・証券
金融業界は、日本経済の根幹を支える重要な業界です。
銀行や証券会社では、顧客の資産管理や投資のアドバイスを行い、企業や個人の資産形成をサポートします。
また、スマホ決済や仮想通貨など、デジタル技術を活用した新しいサービス(フィンテック)の登場に伴い、さらなる発展が期待される業界といわれています。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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銀行員 | 個人や法人顧客に対し、預金・融資・資産運用の提案を行う。 顧客対応力が求められる。 |
投資銀行業務 | 企業のM&A(合併・買収)や資金調達をサポートし、経営戦略に関与する専門職。 |
証券アナリスト | 市場の動向を分析し、投資戦略を立案する仕事。 データ分析力と経済の知識が不可欠。 |
<金融業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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金融知識 | 経済・金融市場・投資に関する基礎知識が必要。 特に証券会社では高度な知識が求められる。 |
分析力 | 市場データを読み取り、経済動向を予測する能力が重要。 企業の財務分析なども含まれる。 |
コミュニケーションスキル | 顧客と信頼関係を築くため、分かりやすく説明する力が求められる。 |
<役立つ資格>
- FP(ファイナンシャルプランナー)
- 証券アナリスト
- 銀行業務検定など
銀行・証券業界では、専門的な知識を活かして企業や個人の資産形成を支援します。
安定した職業ですが、近年はデジタル化が進み、ITスキルも求められるようになっています。
3位 食品・農林・水産
食品・農林・水産業界は、人々の生活に欠かせない「食」を支える重要な分野です。
食品メーカーや農業・漁業関連の企業では、原材料の生産から加工・流通まで幅広い業務があります。
食の安全やSDGsへの関心が高まり、最新技術を活用した養殖や商品開発、生産効率の向上が求められています。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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食品開発 | 新商品の企画・開発を担当し、消費者のニーズに合った食品を生み出す仕事。 |
品質管理 | 食品の安全性や衛生管理を徹底し、品質基準を満たしているかチェックする業務。 |
農業・漁業技術者 | 農作物や水産物の生産を支える専門職。 生産効率の向上や環境保全を考慮した専門的な知識が必要。 |
<食品・農林・水産業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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食品衛生知識 | 食品の安全性や衛生管理に関する知識が求められる。 特に品質管理職では必須。 |
研究開発スキル | 消費者ニーズに応えるため、新しい商品開発のための研究能力が必要。 |
環境保全の知識 | 持続可能な農業・漁業のため、環境負荷を低減できる生産方法を学ぶことが重要。 |
<役立つ資格>
- 食品衛生責任者
- HACCP(ハサップ)管理者
- 農業技術検定
食品・農林・水産業界は、生活に直結する分野であり、安定した需要があります。
業界規模も大きいため、食品に関する専門知識や経験を身につけることで、多様なキャリアの可能性が広がります。
4位 電子・電気機器
電子・電気機器業界は、家電、半導体、ロボット、通信機器など、私たちの生活に欠かせない製品を開発・製造する分野です。
特に、IoTやAI、再生可能エネルギー関連技術の発展に伴い、技術者の需要が高まっています。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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設計エンジニア | 電子回路や制御システムの設計を行い、製品の仕様を決定する。 |
生産技術エンジニア | 製造工程の最適化や効率化を図る仕事。 コスト削減や品質向上に貢献。 |
品質管理・品質保証 | 製品の安全性や品質をチェックし、問題がないかを確認。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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電気・電子工学の知識 | 回路設計や半導体技術、通信技術などの基本的な知識。 |
プログラミングスキル | 組み込みシステムや制御ソフトウェアの開発には、C言語やPythonの知識が必要。 |
問題解決能力 | 不具合の発見・改善を行うため、論理的思考力が必要。 |
<役立つ資格>
- 電気主任技術者
- 電気工事士
- 基本情報技術者試験
電子・電気機器業界は技術革新が進む分野であり、新しい知識を学び続けることが求められます。
最新技術を活かしたものづくりに興味がある人にとって、やりがいのある仕事です。
5位 人材サービス(派遣・紹介)
人材サービス業界は、企業と求職者をつなぐ役割を担い、採用支援やキャリアコンサルティングを行う仕事です。
企業の人材不足や求職者の転職ニーズの増加に伴い、需要が拡大しています。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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キャリアアドバイザー | 求職者に対し、適切な仕事を提案し、転職活動をサポートする。 |
コーディネーター | 派遣スタッフと企業をマッチングし、就業後のフォローを担当。 |
営業職 | 企業の採用ニーズを把握し、適切な人材を紹介する営業職。 リクルーティングアドバイザーとも呼ばれる。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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コミュニケーション能力 | 求職者や企業担当者と円滑にやり取りができる能力が求められる。 |
交渉力 | 企業と求職者双方の要望を聞き、マッチングを実現させるために必要なスキル。 |
分析力 | 業界の動向を把握し、最適な人材配置を提案できる分析力が必要。 |
<役立つ資格>
- キャリアコンサルタント
- 中小企業診断士
- メンタルヘルスマネジメント検定など
人材サービス業界は、人と企業をつなぐやりがいのある仕事です。
相手のニーズを理解し、適切な提案を行う力が求められるため、人と接することが好きで、サポートすることにやりがいを感じる人に向いています。
6位 繊維・化学・ゴム・ガラス・セラミック
繊維・化学・ゴム・ガラス・セラミック業界は、衣料品や化学製品、工業材料など幅広い分野を支える重要な業界です。
新素材の開発や、環境負荷の低減を目指した研究が進んでおり、技術革新が求められる分野でもあります。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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研究開発職 | 新素材や化学製品の開発を行う。 |
技術職 | 生産工程の管理や品質向上を担当。 |
品質管理職 | 製品の品質をチェックし、基準を満たしているか確認する仕事。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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化学・材料工学の知識 | 素材や化学反応についての理解が必須。 |
分析能力 | 製品の成分分析や品質評価を行うスキル。 |
問題解決能力 | 新たな技術や素材の開発には、課題を解決する力が求められる。 |
<役立つ資格>
- 危険物取扱者
- 公害防止管理者
- 化学分析技能士など
繊維・化学・ゴム・ガラス・セラミック業界は、持続可能な素材の開発や技術革新が進む分野です。
環境問題への意識が高く、最先端技術の活用に興味がある人にとって、やりがいのある業界といえます。
7位 コンサルティング・調査
コンサルティング・調査業界は、企業や団体が直面する様々な課題を解決するための戦略や、データ分析を提供する仕事です。
クライアントの問題解決に向けて、データ分析や提案型のアプローチを行うため、論理的思考や分析能力が特に重視されます。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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コンサルタント | クライアントに対して業務改善や戦略提案を行う。 |
アナリスト | 市場調査やデータ分析を通じて、戦略の立案を支援。 |
プロジェクトマネージャー | コンサルティングプロジェクトを管理し、クライアントに対して提案を行う。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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論理的思考力 | 複雑な問題を構造的に分析し、解決策を見つけ出す力が求められる。 |
分析能力 | データの分析や市場調査を基に戦略を立案する能力が重要。 |
プレゼン能力 | クライアントとへの提案や、チーム内での情報共有を円滑に行える能力が必要。 |
<役立つ資格>
- MBA(経営学修士)
- 中小企業診断士
- プロジェクトマネージャー資格(PMP)など
ビジネスの最前線で活躍できるコンサルティング・調査業界は、戦略的な思考や分析能力を活かしたい人にとって、やりがいを持って働ける仕事といえるでしょう。
成長市場の調査や企業の経営戦略に関わり、広い視野で様々な業界の知識を得られる点も魅力です。
8位 通信
通信業界は、IT業界の中で「インターネットを利用する業界」を指します。
つまり、情報インフラを支える企業のことで、インターネットや携帯電話、テレビ、衛星通信などを扱う仕事です。
デジタル化が進む中で、通信業界は今後も急速に成長が見込まれています。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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ネットワークエンジニア | 通信ネットワークの設計や運用、保守を担当。 |
システムエンジニア | 通信機器のシステム開発やソフトウェア開発を行う。 |
プランナー | 新しい通信サービスの企画や戦略立案を行う。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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通信技術の知識 | 5GやIoT、ネットワークの基礎知識を理解していることが求められる。 |
ITスキル | サーバーやソフトウェアの知識を活かして、効率的なシステム運用が求められる。 |
問題解決能力 | ネットワークトラブルやシステム障害時に迅速に対応できる力が必要。 |
<役立つ資格>
- ネットワークスペシャリスト
- 情報処理技術者試験(ITパスポートなど)
- CCNA(シスコ認定ネットワークアソシエイト)
通信業界は、今後ますます重要性を増す分野であり、最新技術を駆使して社会のインフラを支える仕事に就くことができます。
技術の進化が速いため、常に学び続ける姿勢が求められますが、その分、やりがいと成長のチャンスが多い業界です。
9位 住宅・インテリア
住宅・インテリア業界は、人々の暮らしを豊かにするための住環境を提供します。
近年、環境に配慮したエコ住宅やスマートホームの普及が進んでおり、今後さらに注目される業界といえるでしょう。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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建築士 | 住宅のデザインや設計図を作成する。 |
インテリアコーディネーター | 家具や装飾品を選定し、住空間のデザインを提案する。 |
営業職 | 住宅の販売や契約業務を行い、顧客のニーズに応える。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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建築知識 | 住宅設計や施工に関する基礎的な知識が必要。 |
デザイン力 | インテリアや外観のデザインに対する感性が重要。 |
コミュニケーション力 | 顧客とのやり取りやチーム内での調整能力が求められる。 |
<役立つ資格>
- 建築士(1級・2級)
- インテリアコーディネーター
- 住宅ローンアドバイザーなど
住宅・インテリア業界は、住まいづくりに関わることで、人の暮らしを支えることのできる職業です。
エコやテクノロジーを取り入れた住宅の提案や、ライフスタイルに合わせたインテリアのコーディネートなど、やりがいのある仕事が多く、特にクリエイティブな仕事に魅力を感じる人におすすめです。
10位 自動車・輸送用機器
自動車・輸送用機器業界は、車両の製造・開発、さらには関連する部品やシステムの製造を行う重要な産業です。
国内外に広範な市場があり、新たな技術革新も進んでいます。
自動運転技術、環境対応のエコカーの開発など、今後の成長が期待されている業界です。
<主な職種と仕事内容>
職種 | 仕事内容 |
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設計エンジニア | 車両の設計や構造の開発を担当。 |
品質管理エンジニア | 製品の品質や性能をチェックし、基準を満たしているか確認。 |
生産管理職 | 製造工程の効率化や生産ラインの監督を行う。 |
<業界で求められるスキル>
スキル | 説明 |
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機械工学の知識 | 車両や部品の設計・製造に必要な機械工学の基本知識。 |
分析力 | 車両の性能や安全性をシミュレーションして分析する力。 |
問題解決能力 | 生産過程での問題を解決し、品質を維持する力。 |
<役立つ資格>
- 自動車整備士
- 機械設計技術者
- CAD技術者など
自動車・輸送用機器業界は、今後も進化を続ける分野であり、次世代技術の開発に携わるチャンスの多い業界です。
日本の基幹産業に携わりたい、最先端の技術を駆使して社会に貢献したい、という人に向いている業界といえるでしょう。
自分に合う職業の選び方
自分に合う職業を選ぶには、まず自分の興味や価値観、強みを理解することが重要です。
自分が何に魅力を感じ、どんな仕事で活躍したいのかを考え、自己分析を行いましょう。
次に、自分が大学で学んだことやスキル、特性に合った職業をリストアップし、それぞれの業界や職種についてリサーチすることが大切です。
仕事の内容や働き方、将来性などを考慮し、自分とって最適な職業を見つけましょう。
また、実際に働いている人の話を聞いたり、インターンシップを経験したりすることで、より具体的なイメージを持つことができます。
最終的には、自分がどのように成長したいのか、何にやりがいを感じるかを軸に職業を選ぶことが、満足のいくキャリアを築くことにつながります。
人気の高い職業に就くコツ
人気の高い職業に就くためには、他の候補者との差別化を図ることが重要です。
競争が激しい中で、自分をアピールできる強みをみつけ、業界のトレンドや必要とされるスキルを理解しておきましょう。
こちらでは、人気の高い職業に就くための具体的なコツを紹介します。
自己分析を徹底する
自分に合った職業を選ぶには、まず自己分析が欠かせません。
自分が学んだことや強み、興味、価値観を理解することで、長くやりがいを持って働ける仕事が分かってきます。
どんな環境で力を発揮できるのか、何をしているときに楽しさや達成感を感じるのかを振り返り、自分に合う職業を見つけましょう。
市場のトレンドを把握する
人気の職業は、社会のニーズや市場の変化に大きく左右されます。
現時点で競争率が高い職業にこだわらず、将来性のある業界や職種を視野に入れるのも一つの戦略です。
その業界の成長性や求められるスキルをリサーチし、先のキャリアを見据えて準備を進めるのもいいでしょう。
また、トレンドや業界研究を徹底し、早い段階で必要な知識やスキルを身につけておくことも、就職を成功させる鍵になります。
就職エージェントを使う
人気の高い職業を目指すなら、就職エージェントのサポートを活用するのもおすすめです。
求人の紹介だけでなく、履歴書の書き方や面接対策、業界ごとの採用動向のアドバイスを受けられるため、ライバルに差をつけることができます。
特に、自分の強みや適性を客観的に判断してもらえるのは大きなメリットです。
自分では気づかなかった適職を提案してもらえる可能性もあるため、プロの視点を取り入れることで就職活動の成功につながるでしょう。
